森保監督の年俸推移|なぜ解任論が出るほど批判されているのか?

サッカー

サッカー日本代表は、ワールドカップ出場をかけた最終予選で苦戦を強いられており、批判の矛先が森保一代表監督に向けられています。

なぜ森保監督は解任論が出るまでに批判されているのか。
森保監督の期待できる点は無いのか?考察します。

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森保監督のWiki風プロフィール

名前:森保 一(もりやす はじめ)
生年月日:1968年8月23日
出身地:長崎県長崎市

プレイヤーとしては、Jリーグ創成期から10年間もJ1で活躍。293試合という出場記録があり、選手としても一流でした。

現役時代のベストゴール、TOP10なんて動画がJリーグ公式で作成されているほど。

代表としても35試合に出場。

ドーハの悲劇では、失点に繋がるセンタリングを見上げていました(33:33~)。

悲劇と共に現代の日本サッカーの源泉にもなったあの瞬間を、ピッチで体感していたのですね。

監督としての経緯

森保監督は、J1リーグのサンフレッチェ広島で3度の優勝経験を誇っています。

2012年古巣のサンフレッチェ広島に就任した初年にいきなり優勝、そして翌2013年に連覇を達成。2015年に3度目の優勝にチームを導きました。

その後2017年に東京オリンピック代表の監督に就任。

2018年からはオリンピック代表監督と兼務する形でA代表の監督に就任しました。

森保一監督の年俸推移

J1のサンフレッチェ広島の監督時代の年俸推移です(以下、年俸はいずれも推定)。

西暦チーム年俸成績
2012J1 サンフレッチェ広島3000万優勝
2013J1 サンフレッチェ広島3600万優勝
2014J1 サンフレッチェ広島5000万8位
2015J1 サンフレッチェ広島5000万優勝
2016J1 サンフレッチェ広島6000万6位
2017J1 サンフレッチェ広島7000万7月で退任
https://www.news-postseven.com/archives/20131230_233538.html?DETAIL
https://www.soccer-money.net/kantoku/kantoku.php?name=%E6%A3%AE%E4%BF%9D+%E4%B8%80&d=19680823

6年で3度の優勝はお見事ですが、それにしては年俸のアップ幅が小さいですね。
実は広島は就任直前の2011年まで累積赤字を抱えていて、クラブライセンス制度が始まる2013年までに赤字を解消する様々な経営努力を行っていたころなのです。

ちなみに2021年のJ1リーグ監督の年俸は、最も安くて1500万円、最高で2億円とのこと。
プロ野球の監督では6000万~2億円だそうです。

続いて、日本代表監督としての年俸はこちら。
2017年10月に東京オリンピック代表監督に就任。2018年7月にA代表の監督の兼任が決まります。
兼任なので、それぞれ年俸も独立していると思われます。

西暦五輪代表日本代表成績
20184800万
20194800万1億5000万アジア杯:準優勝
20204800万1億5000万
20214800万1億5000万東京五輪:4位
20221億5000万
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/215589
https://www.sanspo.com/article/20180727-5JE3AXMDKVPNTCFGZBTSE3Q3FA/

※2019年~2021年、森保監督の年収は総額1億9800万ということになります(副業は除く)。

広島の監督を終えたあと、複数のJ1クラブから8000万ともいわれるオファーが届いていましたが、それでも4800万円のオリンピック代表を選んだのですね。日本代表は4年で6億円ということで、年俸としては1.5億円。

歴代日本代表監督の年俸最高額は、ハリルホジッチ監督の2億7000万円。(参考:https://venture-finance.jp/archives/5472)

ロシアワールドカップで優勝したフランスのデシャン監督が当時約4億5000万円だったそうです。(https://web.gekisaka.jp/news/detail/?244469-244469-fl)
こう見ると、日本代表監督の年俸は安いですね。ワールドカップのベスト8へのチャレンジに失敗している理由はこういうところにもあるのかも・・。

なぜ批判されているのか

森保監督の采配は批判されています。その理由を整理してみましょう。

結果を出せていない

J1の3度の優勝はたしかに華々しい実績ですが、代表監督としては大事なところで勝てていない印象です。

日本代表監督に就任後、結果を求められた大きな大会がふたつありました。

ひとつは2019年1月に行われたアジアカップ。当然優勝を目指していたはずですが、決勝戦でカタールに1-3で敗戦、準優勝に終わりました。

そしてもうひとつが、記憶に新しい2021年の東京オリンピック大会。ホームで行える有利な大会だったはずであり、目標は金メダル、最低でもメダル獲得と期待されてしましたが、結果としてメダルにも届きませんでした(4位)。

親善試合やアジアの2次予選などでは勝率が良いのですが、大事なところで勝てない。チームマネジメントを上手くできていないように見えるのです。
ここにファンはフラストレーションを感じているのだと思います。

消極的な采配

日本代表の選手は、とても才能に溢れています。ですがそれを指揮する森保監督の采配は、正直消極的に映ることが否めません。

例えば、先発メンバーやシステムを固定しがち問題。
今回の最終予選でも、個で打開できるドリブラーである三笘薫選手や、海外で非常に好調である古橋亨梧選手を招集しているにもかかわらず、先発メンバーを変えずにいます。

東京オリンピックでも柔軟性を欠いていました。
グループリーグでは非常に好調であったにもかかわらず、中2日の連戦、日本の夏の暑さという厳しい日程の中先発メンバーを固定したために、主力の疲労を招いてしまいます。サブメンバーを活かすなどの対応ができず先発メンバーは疲労を蓄積、大事な決勝トーナメントでパフォーマンスの低下をみすみす招いたように見えました。

グループリーグ、トーナメント、共に3試合でしたがこんな差を生んでしまったのです(公式サイトはこちら)。

  • グループリーグ:7得点/1失点/3勝0敗
  • トーナメント :1得点/4失点/1勝2敗(勝利はPK戦のみ)

さらに、試合中の選手交代が遅いとも言われています。
アジアカップの決勝戦では、前半カタールに2点を先制されながらも、最初の選手交代がなんと62分!むしろリードしているカタールの方が先に交代しています。その後1点を返すものの追加点を取られてしまい、2点のリードを許しているのに残り二枚のカードは84分、89分の交代でした(公式サイトはこちら)。

この経験は活かされません。東京オリンピックの3位決定戦でも同じように前半で2点を失いましたが、5人の交代ができるにもかかわらずハーフタイムに交代した選手はわずかひとりだけ。結局追加点を取られて負けてしまいました(公式サイトはこちら)。

チーム運営や試合の中で、交代選手を活かして勝利を手繰り寄せるようなマネジメントに長けていない、そのように見られても仕方が無いと言えると思います。

田嶋会長への不信感

加えて、森保監督を任命している日本サッカー協会会長の田嶋幸三氏への不信感の強さも原因でしょう。田島会長は2018年ロシア大会の直前にハリルホジッチ監督を会長の専権事項として独断で解任し、ジャパンズウェイというあいまいなキャッチコピーのもと、森保監督を支持しています。

説明を果たしていないので真相は不明ですが、田嶋会長のごり押しで国内外の優秀な監督を招致できないという印象が拭えず、そういった不信感もまた森保監督への批判を招いていると言えそうです。これは森保監督ではどうしようも無い話なのですが・・。

田嶋会長がハリルホジッチ監督を解任させた後、川渕氏のこんなツイートも火に油をそそいだっけなぁ。

森保監督の期待できる点

いっぽうで、2022年ワールドカップに向けて森保監督の優れている点について考えてみましょう。

選手の信頼を得ている

森保監督は選手とのコミュニケーションを非常に重視しています。そして選手ファーストの言動をしていることで、選手からの信頼が非常に厚いのです。

冨安健洋選手がアーセナルに移籍できるチャンスがあった時、森保監督は守備の要である冨安選手の代表召集を、移籍実現のために見送ったこともあります。
なかなかできることでは無いですよね。

またこちらの動画は、勝利が必要だった最終予選連続アウェイ2連戦を連勝で終えた直後の、森保監督のインタビューです。最初の言葉で選手を、特に控えやベンチ入りもできなかった選手に対してねぎらっています(4:03~)。
「選手たちが、ピッチに立った選手だけでなくてベンチの選手、そしてサポートに周った選手も含めて、試合に出られる出られないも関係なく、それぞれのやることをチームのためにやり続けてくれたことがピッチ上の選手にパワーを与えてくれたと思う」

出場機会の無い、ベンチにも入れない選手に対しての感謝を最初に出せるところが森保監督らしいところです。

では選手にぬるいかというとそんなことはありません。
この動画は日本代表の底上げに国内組を収集した時のスタートの挨拶なのですが(0:08~)、「言い訳は要らない」ときっぱりと言っています。

優しさと厳しさをしっかり使い分けているからこそ、信頼も得られているのでしょう。

監督が選手の信頼を得ていることが試合での結果につながるのかというと、定かではありません。ですが少なくとも試合に出られる選手出られない選手も含めて一丸とならなくては、ワールドカップベスト8には届かないでしょう。
その意味では、選手の信頼を得ているというのは森保監督の強みであると思います。

世論に負けず頑固でいられる

戦術が硬直化していることはネガティブに捉えられがちですが、周囲の雑音に惑わされずに自分の決めた戦術を貫けるというのも、監督として大事な要素だと思います。

テレビ朝日の報道ステーションで森保監督が、内田篤人さんからインタビューされていました。

森保監督は「回りの声は気にならない」と言っていました。信念が強いですね。

内田篤人さんは19歳の時、森保監督と日本代表で会っています。

内田篤人さんは「当時、生意気なことを言ってしまい申し訳ありませんでした(笑)。森保監督は熱い人」と言っていました。

さて、森保監督は、柔軟性が無いとは言われていますが、そもそもここまでの数年で3バックも4バックも散々試してきましたし、国内外を問わず新戦力も積極的に招集して、チャンスをつかんだ選手は代表に定着させています。
数年をかけて落とし込んできた戦術がベースになるのは、当たり前だとも言えますね。

さらに、実はこの最終予選の中でもシステムを変更して(4231→433)田中碧選手や守田英正選手を先発にしましたし、三苫薫選手や古橋亨梧選手、SBの中山雄太選手の出場時間も少しずつ長くなっています。それに伴って順位が上がってきました。これは森保監督が、短期決戦のなかでも問題点を修正し、結果を出している証拠であると思います。

「なぜ先発で使わないんだ」という意見もあるかもしれませんが、今回の最終予選では5人までの交代が可能です。スタートはこれまでのベースを活かしてリスクを低く、得点が必要になったら攻撃的な選手を投入する。そのような考えなのかもしれません。

代表監督が世論に押されて意見を替えるようではいけません。
自分のやり方を貫く頑固さが、最後のビックステップにつながる可能性があるのです。

日本代表の指導者としての経験

この数年の日本代表に関わる人の中で、現場で最も多くの悔しい思いを経験しているのが森保監督でしょう。

就任後のアジアカップ、東京オリンピックは監督として試練に直面しましたし、2018年のワールドカップでの、あのベルギー戦での敗戦をコーチとして体験しています。

そしてもちろん、土台には目前で夢を断たれたドーハの悔しさも。いまでもアジアで勝ち上がる難しさを忘れていないようです(34:35~)。
「アジアを勝って、ワールドカップ本大会に出場するのは簡単なことじゃない」

悔しい経験からは教訓を得ることができます。森保監督にしか見えていない、日本代表がアジアを勝ち抜き、ワールドカップでベスト8に到達するために必要な教訓を胸に秘めているのかもしれません。

いま多くの人に批判されている采配も、森保監督だけが知る教訓を浸透させようとしているのであれば、それは一般の人には見えませんよね。こればかりは本人にしかわかり得ないことだと思うのですが、そういった意思があると信じたいところです。

森保監督に期待すること

ワールドカップ最終予選、2021年の日程を終えて日本は2位につけています。3試合で1勝2敗となった絶望的な状況から、見事に盛り返しました。

2022年もサウジアラビア戦、アウェーのオーストラリア戦など難しい試合が残っていますし、日本を相手にするときにはボランチを3枚にするようなチームも多いので、これまで通り苦戦はするでしょう。ですが実力は勝る日本です。最終戦となる3/29までに、2位以内の出場権獲得を決めて欲しいと思います。

その後、本大会が開催される11月までには7ヶ月以上の期間があります。特に、ヨーロッパのオフシーズンとなる夏の期間を使えますので、代表監督を替えるとするならばこのタイミングに行われるかもしれません。ただし、田嶋会長の任期は2024年3月まで続くので、予選を突破できたら森保監督解任はよほどのことがなければ無いでしょう。

森保監督について不安な要素は、前述の通り結果を求められる大会で勝てていないこと。ワールドカップベスト8を目指している代表を、その高みにまで引き上げてくれるでしょうか。
ですがここまでの悔しい経験を受け止めて、そのうえ前回大会も現場で経験した森保監督だからこそできることもあるでしょう。

ちなみに、ワールドカップ本大会は、前評判は関係ない・・というかむしろ前評判と逆の結果になることが多いと感じています。
前評判がよかった2006年のドイツ大会(ジーコ監督)、2014年のブラジル大会(ザッケローニ監督)はグループステージ敗退。
直前まで調子を落として期待が低かった2012年の南アフリカ大会(岡田監督)、監督交代のゴタゴタもあった2018年ロシア大会(西野監督)は決勝トーナメントまで進みました。
ワールドカップ本大会の結果は、前評判では決まりません。

もし森保監督のまま本大会に出るのであれば、実は我々にはわからない布石がちゃくちゃくと置かれていて、その積み重ねが本大会でついに解き放たれて決勝トーナメントでの初勝利を日本にもたらしてくれること。
これを期待します!

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